残暑は厳しいもの。残暑にはお見舞いするもの。
いずれも定型句として、昔から馴染みがあることと思う。
文字通り「(時節の割に)まだ暑さが残っている」の意味なので、残暑自体は騒ぎ立てることじゃない。
ましてや、地球温暖化と直結させるのは早計。
二十四節気の「立秋」を過ぎた暑さを残暑と呼ぶが、二十四節気は1年を24等分したもの。
その中で、夏至冬至の「二至」と春分秋分の「二分」を「季節の盛り」とするのは、ご尤も。
太陽の位置からも、体感的にも納得できるからだ。
しかし、立春立夏立秋立冬の「四立」は、単純に均等に分割されただけの境目。
四立の日に言われる「暦の上では」という決まり文句が象徴的。
そもそも、季節に明確な境目があるなんて発想は、日本人離れしている。(二十四節気は中国製)
我々には元来、今で言う「グラデーション」が、もっと身近だった。「機微」とでも言うのかな。
猛暑への注意と、「猛暑 − 残暑」の分(増加分)だけ余計に騒ぐのが、正しい報道だろう。
今年はラニーニャ現象で、昨年はエルニーニョ現象で、それらが交互に続くそうだ。
詳しくはよく解らない。知らないなら、何も言わない方が賢い。
なお、暑さが終息する頃は、二十四節気で「処暑」と言い、8月23日だそうだ。
これも等分には違いないが、体感を伴った説明からするに、立秋よりは目安になろう。
よし、先週の暑さを「長引いている」と呼ぶことは許可しようじゃないか。
皆様、くれぐれも体調管理と情報収集にはお気をつけください。