我々は、とかく物を知らない。もちろん、私も含めて。
何よりもまず、そのことを認識しなければならない。
確かに、人にはそれぞれ日々の役目や暮らしがあるのだから、「全てを追わず、流れに付いてさえいければいい」と思ってしまうのも、無理はない。
能動というのは疲れるのだから、ある程度の受動は仕方がない。
だが、あまりにも物を知らず、そして「物を知らない状態を是とする」風潮が、
そこかしこに染み付いていると、最近とみに思う。
私はその風潮に警鐘を鳴らしたいが、現状、その響きに力はなく、耳を澄まさねば聞こえない。
つまるところそれは、構造的に、ほとんど無力だと言えるだろう。
恥は捨て、見栄は忍ぼうと思う。
我々は何も知らない。彼らも、貴方も、もちろん私も。
しかし私は、少なくとも自分が無知であることを知っている。貴方も、そこから始めよう。