誤訳が定着しているという話。
先日はハロウィンでしたが、そこに登場するカボチャお化けというか、
カボチャをくりぬいて作るアレ。
ご存知、「ジャックランタン」という名前。
「ランタン持ちの男」という意味で、綴りはJack-O'-Lantern。O'はOfの略。
これをまさか「ランタン持ちのジャック」なんて訳す人はいないだろうけれど、
ジャックザリパー(Jack the ripper)は「切り裂きジャック」なんて訳す。
その訳を聞くたび、頭悪い訳だなあと思う。
Jackというのは、不特定の男性を指すときに仮に、名前のように使われるだけで、
男と訳せばいい。
「ランタン持ちの男」「切り裂き男」でいい。
というか、その程度の意味しかない。
「All work and no play makes Jack a dull boy」ということわざがある。
日本語では「よく学び、よく遊べ」という意味だが、これも
「ジャックは…」と訳す人がたまにいる。
英語の勉強不足というよりも、感覚、センスの問題。
気取っているわけじゃない。はるか昔に日本に入ってきたはずのものだ。
手塚治虫の代表的な作品「ブラックジャック」。
その主人公ブラックジャックの本名はご存知だろうか。
ピノコに向かい、自分の本名と「ブラックジャック」という名前の由来を話すシーンがある。
本名は、間黒男(はざま くろお)。
黒がブラック。
男はジャック。
たからブラックジャックだと、彼はそう言う。
30年前の漫画でこれ。
作者は第二次世界大戦を経験しており、いわば半世紀近く前の人間である。
「Jack」を逐一「ジャック」なんて。
間違っていることが恥ずかしいことなんですよ?